ESG 社会報告

社会課題・顧客ニーズにマッチした
製品・サービスの開発

タツタ電線グループでは顧客ニーズにマッチした製品や社会課題の解決に貢献する製品・サービスを開発しています。

電線・ケーブル事業

電力会社向けの架空配電線の品質の向上と生産性アップに取り組んでいます。また安定供給の実現や環境負荷低減に貢献する材料の使用検討等、社会的要請に応えています。さらに、産業機器用電線の分野では、様々な現場ニーズに基づいて品種拡大をするだけでなく、電気の安定供給や環境・社会課題に貢献する独自仕様製品を開発しています。

製品・サービス事例
社会のニーズ: 現場作業の効率化
かるまげ®難ゃ燃
かるまげ®難ゃ燃

許容曲げ半径が通常の半分で狭所配線における施工性に優れています。さらに難燃性に優れているため、データセンタや発電所、キュービクル回りにも最適なケーブルです。

  • 「かるまげ」は、日本で登録されたタツタ電線株式会社の商標です。
社会のニーズ: FA・ロボット市場の進展を支える
細径化高力ケーブル
細径化高力ケーブル

当社独自配合の高力銅合金を採用し、引張強さ、繰り返し曲げ強さに優れたケーブル。各種FA機器や、工作機械等の可動部、ケーブルベア、ロボットの旋回部等での省スペース使用環境に適しています。

電子材料事業

機能性フィルム・機能性ペーストについては、素材開発や製品開発、それらの加工技術開発に取り組んでいます。また国内外の外部機関との連携等を含め、電子材料の周辺分野や新規分野をターゲットとした製品開発・用途開発を進めています。ボンディングワイヤについては、銅ワイヤ・銀ワイヤの製品開発を推進しています。

製品・サービス事例
社会のニーズ: スマートフォンの進化を支える
高シールド/高段差対応用シールドフィルム〈WILMINA® SF-FT® 6015-US-C〉
高シールド/高段差対応用シールドフィルム〈WILMINA® SF-FT® 6015-US-C〉

スマートフォンの発展とともに進化を遂げたカメラ。スマートフォン搭載カメラの高機能化により、カメラモジュール部で採用される高段差基板にも高シールド性能が求められるようになりました。また、カメラモジュール製造工程における超音波洗浄への耐性も必要です。WILMINA® SF-FT®6015-US-Cは、高シールド・高段差・耐超音波洗浄のニーズに応えます。

  • 「WILMINA」は、日本とその他の国で登録されたタツタ電線株式会社の商標です。
社会のニーズ: 先端エレクトロニクスを支える
低温硬化型導電性ペースト SCシリーズ
低温硬化型導電性ペースト SCシリーズ

60℃~80℃という低温領域で硬化が可能な導電性ペーストです。プラスチック基材の層間接続用途や部品実装用途にも採用が広がっており、様々な分野でエレクトロニクスの進化を支えます。

社会のニーズ: 極細線の高機能化により半導体市場を支える
NANDメモリ用 銀ワイヤ
NANDメモリ用 銀ワイヤ

高価な金ワイヤの代替要求にお応えするため、高信頼性、高導電率、低コストを実現した銀ワイヤとして国内拠点でNANDメモリ向けに量産を開始しました。NANDメモリはスマートフォンやタブレット、データセンター等で需要が拡大しており、BCPならびに海外ユーザーの需要にお応えするため、海外拠点(マレーシア)での量産体制の整備を進めています。

その他事業

医療機器部材の商品化に向けての研究開発および中長期的な商品開発に向け、研究開発に取り組んでいます。

製品・サービス事例
社会のニーズ: 高度医療
医療機器部材
医療機器部材

タツタ電線は2013年には眼科OCT(Optical Coherence Tomography)用光ファイバ干渉計モジュール、2017年には医療用ケーブルの製造・販売を開始し、着実に実績を重ねてきました。現在医療従事者の利便性の向上に資する高機能チューブや光ファイバデバイスの開発・製品化に取り組んでいます。2022年3月には「医療用光ファイバプローブ」の生産ラインを京都工場に構築し、製造・販売を開始しました。

光ファイバプローブ
新たながん治療として、手術や抗がん剤などに続く「PDT(光線力学的療法)※1」、「PIT(光免疫療法)※2」、といった光線照射による治療方法の普及が進んでいます。当社が提供する光ファイバプローブ※3はレーザー光の強度分布を示すビームプロファイルはトップハット形状を基本とすることで凹凸のないプロファイルに仕上げ、病変部位の腫瘍組織に対して、極めて均一かつ効率的に前面照射することができます。
  • 腫瘍親和性の高い光感受性物質を体内に投与し、レーザー光が照射された病変部位の腫瘍組織を変性・壊死させる局所治療法であるため、正常組織への影響が少なく、身体への負担が軽減された低侵襲治療法。
  • 光線力学的療法と免疫療法を組み合わせた、がんの新たな治療法。
  • 患部へレーザーを照射するための器具。
社会のニーズ: 環境汚染の防止と人の健康保護
ダイオキシン類分析
ダイオキシン類分析

毒性が強く人体への影響が大きいダイオキシン類の測定・分析を行っています。測定・分析の高い信頼性を担保するため、タツタ環境分析センターでは特定計量証明事業者認定(MLAP)を独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)より取得しています。

品質保証体制の強化

タツタ電線グループは、優れた品質を安定的に提供することでお客様の期待に応え続けます。
ISO9001を取得し、品質マネジメントシステム(QMS)を適切に運用、定期的に監査しています。
事業に適した独自QMSを構築、安全で高品質な
製品・サービスを提供するために様々な取り組みを実施しています。

品質マネジメントシステムの適用範囲

ISO9001:2015年度版に基づく品質マネジメントシステム認証を取得しています。

適合規格ISO 9001:2015/JIS Q 9001:2015
ISO 9001
JQA-0680
登録事業者 タツタ電線株式会社
関連事業所
  • タツタテクニカルセンター、京都工場、仙台工場、東京支店
  • (株)タツタ環境分析センター、神奈川事業所、沖縄営業所
登録活動範囲
  • 電線・ケーブルの設計・開発及び製造
  • 電子材料、システム製品及びフォト製品の設計・開発及び製造
  • 環境に関わる測定・サンプリング及び分析
登録証番号 JQA-0680
登録日 1994年11月25日
認証機関 (一財)日本品質保証機構(JQA)

電線・ケーブル事業(タツタ電線株式会社 ワイヤー&ケーブル事業本部)

ワイヤー&ケーブル事業本部ではお客様に安心して製品を使っていただくため、原材料、製造工程や完成品等の品質を管理し、ISOやJISといった公的認証を維持、顧客の監査を受けることで、製品の品質がお客様の要望に適合していることを証明しています。

取り組み 内容
公的認証や顧客の認定を維持、管理 社会や環境、経済の変化に合わせ、ISOやJIS等の公的認証、顧客の要求は変化します。これらに対応するため、品質管理のシステムを改善しています。また、公的認証機関やお客様の品質監査を受け、品質管理システムが品質要求事項に適合することを証明し続けています。
品質管理のシステム強化 製品を製造、品質を管理するうえで発生するデータは膨大です。データを集約するためにコンピュータシステムを構築し、数値解析ソフトを活用することでデータ分析の精度や速度を向上しています。解析結果は品質が保たれていることの確認、環境への影響を軽減、問題の解決、安全に製品をつくる条件の設定等に役立てています。
完成品検査 完成した製品はお客様の要求を記載した仕様書に基づき、製品の構造、電気的な特性、使用した材料の特性を検査しています。検査は品質検査資格保有者が決まった手順に従って実施、良否を判定しています。
工程管理 製造ラインを管理するため、コンピュータシステムを運用しています。このシステムによって、製造工程への指示、工程の進捗確認が可能で、異常が発生した場合は即時関係各所へ連絡が入ります。異常は製造担当が除去、品質担当がそれを調査・確認することで、社外への流出を防いでいます。
品質改善と顧客満足度の向上 発生したクレーム・不具合について「なぜなぜ分析」を行うことで、問題の原因を追究し、再発防止に取り組んでいます。
品質管理教育 従来の品質管理手法の教育に加え、以下に示す新たな教育項目を追加しました。
  • 品質を着実に守ることの重要性を教える品質コンプライアンス
  • 品質は安全な職場環境や作業手順、設備、原材料から生まれることを教える安全文化醸成教育
日々更新される顧客の要求や公的認証を満たし続けるため、ネットワークを通じて教育を行うeラーニングなども活用して教育を行っています。

電線・ケーブル事業(タツタ立井電線株式会社・中国電線工業株式会社)

タツタ立井電線では、なぜなぜ分析および再現実験検証等による不具合の真因究明と再発防止対策を行い、作業の標準化や、検査方法の見直しを進め、品質向上に努めています。結果、2022年度下期の不具合発生件数は同年度上期比23%減少しました。今後、設備稼働状況の見える化に取り組み、設備停止状況の分析等により課題の抽出を行い、更なる品質向上を図り、高効率・高品質体制の推進に取り組みます。
中国電線工業では、検査基準の見直しを進めるとともに、継続して画像寸法測定器によるバラツキの少ない検査を実施し品質安定に取り組んでいます。

取り組み 内容
検査体制の充実 画像寸法測定器による構造測定等、先端測定機器による効率的かつ確実な検査を実施しています。
寿命予測の精度向上
屈曲特性・捻回特性が求められる可動用ケーブルについては、蓄積したデータをもとに独自のデータベースを構築し、寿命予測の精度向上を図っています。また、お客様からの屈曲・捻回試験の依頼にも対応しています。
屈曲・捻回試験装置による特性データ取り
屈曲・捻回試験装置による
特性データ取り

電子材料事業

製品ラインアップの充実に合わせた最適な品質保証体制を柔軟に構築しています。また、拡大が予想されるサプライチェーンに対しても適切な対応ができるよう、購買先監査等を通して品質の安定化に努めています。

取り組み 内容
開発段階における検証 電子材料は、デザインレビュー・試作品評価(実験・試験)等を経て製品化に至ります。各段階において品質保証部等関連部署が厳しく検証することで、品質リスクの低減に努めています。また、医療機器部材の開発・製造にあたり、各種業許可を取得しています。
品質検査 各工程において以下の検査を行っています。
  • 原材料調達工程 : 購買先監査
  • 製造工程 : 人と機械による二重の品質検査
  • 出荷工程 : 品質検査資格保有者による外観目視検査、機械特性検査、電気特性検査
品質管理教育 ENEOS総研(株)による品質管理教育を受講することで、品質に対する一人ひとりの意識を高める活動を行っています。
ESGに関するお問い合わせ

総務人事部Tel.06-6721-3331

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