ESG トップコミットメント

Top Commitment先んじて変化をキャッチし、
迅速に柔軟に、
持続可能な社会への貢献と成長を追求していきます。
代表取締役社長宮下 博仁

後戻りのない状況を新たなビジネスチャンスと捉えて

昨年からの世界経済、日本経済の混乱は新型コロナウイルス感染症の影響によるものですが、引き続き予断を許さない状況が続くもののワクチン接種が徐々に進展していく中で、経済活動も段階的に回復してくると期待されます。

一方で、感染対策からDX(デジタルトランスフォーメーション)が提唱され、リモートワークが一気に進むなど働き方や暮らしの変化と同様にもう後戻りしない動きも見られます。米国がパリ協定へ復帰し、日本政府がカーボンニュートラルの実現を打ち出すなど、脱炭素社会の実現に向けたCN(カーボンニュートラル)、GX(グリーントランスフォーメーション)の動きは大きな流れです。そしてそれは新しい大きなビジネスチャンスを生むことになります。例えば、発電では太陽光や風力などの再生可能エネルギーに留まらず、水素やアンモニアも推進され、新たなマーケットに伴い、新たな品質への要求が生まれると考えられます。この変化を確実に捉えて事業の成長の機会としていくことが企業の持続的な成長には不可欠と考えるのと同時に、このような時節に呼応する動きから社会貢献への流れが自然に創られるものだと思います。

そしてまたコロナ禍はグローバルサプライチェーンの見直しを人々に迫ることともなりました。マスク不足は象徴的な話ですが、米中関係を中心とした今後の安全保障上の観点からのサプライチェーンの見直しや強靭化の動きが進んでいくことになり、さまざまな変化への先手の対応がより重要になってくると思われます。幸いなことに当社においては今のところサプライチェーンにおける問題は発生していませんが、世界情勢の変化に伴う突発的な事態に備え注視し続けます。

自社にもたらされた変革の機会を次につなげていく

新型コロナウイルス感染症の影響について、当社グループでも若干名の感染者が発生しましたが、社内感染防止の取組みによりクラスターの発生といった事態になることもなく、お客様への供給責任を果たすことができています。従業員ならびにご家族のご協力に改めて感謝しています。

事業面では、電線・ケーブル事業において、建設業の動きが減速した影響があり、2020年度の売上高は前年度比で約10%減少した一方、半導体に関わる製品についてはすでに回復基調にあります。電子材料部門では一時的落ち込みはあったものの、スマートフォンやタブレットのいわゆる巣ごもり需要などにより総体としての需要は昨年を上回っています。

社内では、DX化が一気に進み、特に事務部門におけるテレワーク体制は整い、社内会議や社外とのやり取りのWeb会議は当たり前になっています。コロナ禍と並行してDX推進室を設置しましたが、実は以前から働き方改革の一環としてテレワークを推進すべくインフラ整備はほぼ完了していたので、スムーズに体制を移行することができました。ただDXというと業務の効率化という面にスポットがあたりがちですが、DXはあくまでも道具であり、ビシネスのモデルをどのように変えられるかが重要です。当社のすべての事業において、この新しい道具を使ってお客様に新たな付加価値を提案し、認めていただくことが最終目標です。

またコロナ禍において地域との関わりが強くなっていると感じています。当社は工場が所在する自治体にコロナ対策の寄付等を行いましたが、2021年2月には本社・大阪工場が所在する東大阪市の要請を受け、同市と包括連携協定も締結しました。今後は社会状況を見ながら当社の方からさまざまな連携を提案していく方針です。誰もが大変な状況の中で「一緒に頑張りましょう」という意識が社員一人ひとりにも芽生えていると感じています。おそらく他の企業も思いは同じでしょう。このような地域社会に積極的に関わろうという姿勢が、SDGsなどの社会貢献に本気で取り組むことにつながっていくと考えます。

長期ビジョンの達成に向けて全力で軌道回復をめざす

代表取締役社長 宮下 博仁

2017年の創業70周年の節目をスタートとし、2025年までの9年間の長期ビジョンおよびその戦略・目標を示した「2025長期ビジョン」を策定。売上高1,000億円、営業利益100億円という一段階上の企業への成長を目指し、当社の保有する各事業を「利益追求」「成長追求」「中長期育成」の3つの事業分野に分類し発展を促します。9年間を3年ごとに区切っており、現在は第2期にあたります。

当初設定した第2期の2022マイルストーン利益目標(営業利益70億円)に対して現状は未達であり、長期ビジョンからの遅れを余儀なくされています。コロナ禍の影響で特に遅れが生じているのが成長追求事業で、開発活動において対面での推進が不可欠なこともあり、顧客サイドにおいても停滞状況にありました。しかしながら各々のプロジェクトは今も確実に継続しており、幸い各国でワクチン接種が進むにつれて開発再開の動きが出てきていますので、早期にキャッチアップし、成長追求事業製品の戦力化により一層注力していくつもりです。

将来的な規模・利益の拡大を目指し事業基盤整備を行っている中長期育成事業についてもやはり当初の計画よりも遅れが見られましたが、ようやく軌道に乗せることができ最終目標が視界に入ってきました。それぞれの事業環境の回復の機会を着実にとらえて、長期ビジョン達成への軌道を戻していきます。

自社製品を通じて社会的責任を果たし持続的成長を追求

サステナビリティを第一義的に考える社会において、私たちが行わなければならないこと、貢献できることは何かを問い続けています。これまでのお客様のご要望にお応えするという姿勢に加えて、今後は社会が求めるものをつくっていかなければなりません。当然、要求される仕様や品質は変わっていきますが、迅速にそのマーケットをキャッチし対応していくこと、私たち自身が柔軟に変化していくことが重要だと捉えています。

電線は電力等のエネルギーや通信、また制御用信号電線など社会にとってなくてはならないものであり、CNやGXの進展に伴い今後出てくると考えられるさまざまなニーズ、たとえば再生可能エネルギーの活用拡大や水素、アンモニアの利用等に関わる新たな製品や品質要求に応えることで社会の変革に貢献することが可能です。また、制御用電線の主要用途であるロボット・FAは労働力減少や工場のDX化等の変化に不可欠のものです。もう一つの主力製品である電子材料は、今後ますます進んでゆくコミュニケーションやIT分野の可能性を広げる素材であり、医療、環境分析事業などは社会課題の解決策そのものといえるでしょう。

自社製品での貢献に加えて製造プロセスにおいても私たちにできることはあります。電線は銅と石油由来の有機材料を使用し、電子材料も量的には電線に比べてかなり少なくなりますが、同様の原材料を使います。培ってきた技術を進化させ、これらの原材料のリサイクルや生産に用いるエネルギーのCN化も果たしていかなければなりません。積極的に事業展開を図り社会的責任を果たしながら、社会問題の解決と当社グループの持続的成長を実現していきます。

マテリアリティ・KPIを設定し、課題解決に向けた動きを明確に

本年度よりマテリアリティ・KPI(重要業績評価指標)を設定しています。さまざまな社会課題解決への取り組みをより具体的に強化するに至りました。当社は、既に経営理念・行動規範において社会の持続可能性のために企業活動を行うことを明確にしており、ESGの考え方をそもそも包含した企業運営を行ってきています。従来からその活動は意識して取り組んでいるものもあれば、当たり前のこととして無意識に取り組んでいるものもありましたが、ステークホルダーの皆様からは見えにくく分かりにくいものでした。マテリアリティを設定し、KPIとして目標を設定することで、よりステークホルダーの皆様にご理解いただけると考えました。

環境問題の解決に役立つ製品は、開発テーマを設定して重点的に取り組んでいきます。当社は従来からリサイクル性の高い被覆材を利用したエコ電線・ケーブルやハロゲンフリーなど環境規制に適合した各種電線、電子材料を開発し、環境配慮型製品の提供においては特徴ある技術を有しています。また、これらは省資源、長寿命、施工の省人化、省力化等といった面で社会に有用な製品群となっています。たとえば、導電性銅ペーストは電子基板等の配線材料に用いられるものですが、従来は銅箔を基盤に張り合わせたのちに酸でエッチングして配線を形成するプロセスが使われており、使われる酸の処理や大量の洗浄水が必要となります。これに対してペーストは印刷技術で基板上に直接配線を形成するため、環境負荷を大幅に軽減できます。

気候変動への対応については、2040年カーボンニュートラルの実現に向けて、今までの省エネルギーの各施策をさらに強力に推進していくことはもちろんですが、加えて当社で使用する電力のすべてをグリーンエネルギーの積極的な購入など再生可能エネルギーで賄うような、従来とは異なる方向での取り組みをスピード感をもって進めていきます。

働き方、女性活躍、そしてDX推進も地続きの改革として

当社が以前から推進する女性活躍とコロナ禍が推進強化の機会となったDXについて、働き方の変革や働き甲斐のある職場の実現に向けて積極的に活用しようと取り組んでいます。

多くの製造現場はこれまで男性中心に稼働しており、当社においても女性には負担が大きいと思われる工程があることから、女性従業員の配置は難しいと考えていました。そこで省力化・省人化などを実現できる製造現場でのDX活用を検討し、すでに工場の一部の設備で導入しています。今後、製造現場においても、女性の職域拡大を進めたいと考えています。採用面においても2016年から5年間の計画で女性従業員の割合を25%とする目標もほぼ達成しています。今後は女性従業員に対して必要なキャリア支援を行いながら、女性の管理職比率の増加にも注力していきます。

女性活躍推進においては、このような目に見える取り組みと併せて、上司となるマネージャークラスの意識変革が重要だと考えています。主な課題はコミュニケーションや公正性などですが、これは対女性従業員に限られたことではなく、ダイバーシティ&インクルージョン推進においても重要な考え方や価値観であることからこのクラスへの研修など取り組みを進めていきます。

各所でDX化を進める中で、新たな課題に対応した人事制度についても2022年3月を目処とした見直しを検討しています。たとえばテレワークで仕事ぶりが見えにくく、コミュニケーションが不足する中で、部下に対する管理職の評価が難しくなっています。部下を評価する基準の整理や評価者への訓練等を行いビジネススタイルの変化に対応できる人事制度を構築したいと考えています。またDX化で懸念されるセキュリティー面に関しては、すでにコーポレートガバナンス体制への取り組みの一環として、サイバーセキュリティー、情報セキュリティー強化への対応と体制整備は昨年度に実施済みですが、ブラッシュアップと継続的な改善に取り組んでいきます。

昨今一段と重要視されている人権について、国内はもとより海外での取り組みに一層力を入れていきます。当社はかねて人格・個性の尊重を行動規範としていますが、人権尊重啓発の研修の実施等の取組みをさらに充実させていきます。

ステークホルダーの皆様とともに歩む姿勢を示していきたい

お客様や社会の価値観が常に変化していく中で、ステークホルダーごとに対話の仕方もさまざまですが、共通するのは誠実に対話し、共に歩んでいく姿勢を示すことが非常に大切だと考えています。そして分かりやすくお伝えするために、今後はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のようなフレームワークへの取り組みなど企業活動の視野をさらに広げていくことも検討していきます。

新型コロナウイルス感染症による社会や経済の混乱が徐々におさまっていくのと歩調を合わせるようにサステナブル社会の実現に向けたさまざまな変化が生じていきます。この変化の時代をチャンスと捉え、自らも変化しつつさらに変化を起こしていくことを強く意識しながら、自らの持続的成長に必須であると考えて事業運営に努めてまいります。ステークホルダーの皆様のご期待に応えていく所存ですので、引き続きのご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

ESGに関するお問い合わせ

総務人事部Tel.06-6721-3331

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