ポータブルタイプ
低圧コールド
スプレー装置

従来の溶射と比べて低温のため、粉体を固相のまま成膜可能な
コールドスプレー装置(搬送式)を商品化しました。
1MPa未満の圧縮空気を用いるため特別な資格や認可は不要で、取扱いが容易です。

ポータブルタイプ
低圧コールドスプレー
装置の特長

  • 01. 幅広い設定
    • 粉体供給量をデューティー比(PWM制御)1%刻みで調整可能。
    • 設定温度600℃(MAX)を1℃刻みで調整可能。
      (PID調整機能付き)
  • 02. 持ち運びに容易な形状
    • スプレーガン、及び粉体供給機の収納が簡単。
    • ホース、配線類の取外しが可能なコネクタタイプ。

製品案内動画

成膜実績

  • 例)Cu基材へのAl粉成膜

    Substrate
    /金属基材
    Powder/粉体
    Al Zn Cu Ni
    Al
    Cu
    Fe
    Ni

    ○:成膜可 ー:実績なし 
    ※:添加材含む

  • 例)ZrO2基材へのAl粉成膜

    Substrate
    /金属基材
    Powder/粉体
    Al Zn
    Al2O3
    ZrO2
    SiO2
    AlN

    ○:成膜可 ー:実績なし

現在、成膜実績のある組み合わせは上表の通りです。
表にない組み合わせもトライアル可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

コールドスプレー法
(低温溶射)とは

粉体を固相のまま超音速まで加速させ、対象物へ成膜する技術

粉体の溶融がなく、粉体の特性を維持した皮膜形成が可能

コールドスプレーは粉体を溶融させず、圧縮ガスと共に超音速流で固相状態のまま基材に衝突させて皮膜を形成する技術です。
利用できる素材(金属粉)は、アルミニウム、アルミ合金、亜鉛、銅、銅合金など。
比較的柔らかい金属粉では、衝突エネルギーにより高い変形量が得られるため、高い密着性と容易な積層(厚膜形成)が可能です。
溶射と比べて粒子温度が低く、基材への熱影響を抑えられるため、酸化を抑制した緻密な皮膜形成が可能です。

装置導入や取り扱いが容易な低圧コールドスプレー装置

弊社のコールドスプレーは、1MPa未満の圧縮空気を用いる低圧式の装置であり、特別な資格や認可を取得する必要もなく、手軽にご使用いただけます。
また、装置本体は小型・軽量の搬送式であり、オンサイトでの施工を可能にします。

成膜メカニズム
【金属基材 vs 金属粉体】

  • 粉体、及び基材の表面に酸化皮膜が存在
  • 粉体の衝突により、基材表面の酸化皮膜を破壊
  • 基材表面に衝突した粉体は塑性変形により基材と結合
  • 粉体の塑性変形により、粉体同士が結合

成膜メカニズム
【セラミックス基材 vs 金属粉体】

*Alまたは酸化傾向高い粉体

コールドスプレー
活用事例

  • 防 食

    課題:防食性能の改善、作業工程の省力化

    塩害地域では、鋼材などに早期のサビが発生します。従来の「塗装」では十分な防食性能が得られない一方で、複数の作業工程(ケレン→下地処理→塗装)が必要であり、維持管理が困難です。

    CS法による解決策

    1. 主粉体(金属粉)に加えてブラスト粉を加えることで、ケレンと下地処理を同時に行うことが可能です。※省力化
    2. 緻密な厚い皮膜により、高い防食性を実現します。
  • 肉盛り

    課題:鋳巣への肉盛り加工の改善

    鋳物やダイキャストでは、製造時に鋳巣が発生します。従来の「溶接」では、熱による強度の劣化や鋳巣の再発生、さらには溶接割れなどの問題があります。

    CS法による解決策

    1. 低温処理(~600℃)のため、熱影響による基材の劣化を抑制することが可能です。
    2. 皮膜強度を向上させる粉体の使用が可能です。
  • 表面改質

    課題:局所的な接続信頼性の改善

    大型のアルミバスバーでは、局部への表面処理が困難です。従来の「めっき」では、アルミ素材に対して複数の処理が必要であり、また、大型のバスバーはめっき槽の使用が困難です。

    CS法による解決策

    1. アルミニウム材料の使用が可能です。
    2. 局所的な成膜が可能であり、大掛かりな設備も不要です。

低圧コールドスプレー
装置一式

  • 本体コントローラ
  • 粉体供給機
  • スプレーガン
仕 様
電源 単相 200V 16A
作動ガス 圧縮空気(※ドライエア)
作動ガス圧力 最大1.0MPa
作動ガス温度 最大600℃
粉体供給量 粉体供給量:0.1~70.0g/min.(6段調整) ※設定変更可能
寸法
  • 粉体供給機 Φ69×L240mm
  • スプレーガン Φ64×L450mm  ※ハンドル部除く
  • 本体コントローラ W402×D200×H350mm
重量
  • 粉体供給機 0.6kg
  • スプレーガン 1.5kg
  • 本体コントローラ 9.0kg
  • 粉体供給機 0.6kg
  • スプレーガン 1.5kg
  • 本体コントローラ 9.0kg

よくあるご質問

  • Q.1 成膜のテストは可能でしょうか?
    A.1 テスト可能です。対象の基材はご支給いただき、粉末は弊社保有のものを使用するケースが多いです。
    ご要求数量や必要に応じて治具を設計し、御見積します。
  • Q.2 装置のレンタルは可能でしょうか?
    A.2 レンタル可能です。期間(1-4週間)に応じて御見積します。
    なお、コンプレッサーや電源(単相200V)など最低限のユーティリティはご準備いただく必要があります。
  • Q.3 粉体やノズルなどの消耗品も提供可能でしょうか?
    A.3 いずれも弊社から提供いたします。
  • Q.4 装置のカスタマイズは可能でしょうか?
    A.4 まずは標準製品を推奨しますが、内容によりご相談させてください。