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ファイバブラッググレーティング FBG(Fiber Bragg Gratings)

FBG(Fiber Bragg Gratings)

光ファイバブラッググレーティング (Fiber Bragg Gratings, FBG) とは、光ファイバのコア中に回折格子を形成し、光フィルタとしての機能を持たせた光ファイバ型のデバイスです。FBGは光ファイバコア内の透過する光を選択できるため、透過光と、反射光に分けることで、光フィルタの役割を果たします。
タツタ電線は光ファイバコア内へのFBGの書き込みを、独自の光学系で行っており、広範囲の波長が選択でき、かつ安定した生産を可能としました。
多様な波長で製造が可能なため、試作1本から個別仕様に対応できますので、ご相談下さい。

製品詳細情報

特長

FBGカスタマイズ国内製造

京都工場の自社製造設備にて1本試作から量産まで製造しています。
FBGの多くは海外メーカーが製造し、国内商社から販売されております。当社は国内で試作から量産まで一貫して対応している数少ないメーカーで、カスタマイズを唯一受け付けております。
FBGの用途は歪センサーやレーザーの増幅器が有名ですが、耐電磁波,耐食性,防爆性に劣る電気センサの適用が困難なな場所(石油コンビナート,火力発電所,原子力発電所、化学工場、ガス貯蔵庫)や特有のアプリケーションでも開発・採用が進んでいます。新たなアプリケーションをチャレンジ・開発されるメーカー様に、信頼性、品質はもちろんのこと、これまで培ったノウハウをもとに、最適なFBGを少量から提供させて頂いています。

独自の光学系

FBGの一般的な製造方法は主に以下の2種類あります。タツタ電線は独自の光学系により製造しています。

  1. 位相マスク法・・・位相マスクを用いる方法で、位相マスクへ入射された光は回折し、回折光同士の干渉パターンが光ファイバにあたることで、FBGを形成します。位相マスク法では一つの位相マスクではFBGの波長調整ができませんが、位相マスクの溝ピッチでFBGの特性が出せるため、安定性・量産性に優れています。一方、波長変更をできないことから、波長ごとに位相マスクを新調する必要があるため、新たな波長のFBGを製作する場合イニシャル費用が必要となります。
  2. 2光束干渉法・・・スプリッタで分離した2光束をミラーでの角度調整することにより広範囲に波長を変更できます。通常、光学系の光軸調整が非常にシビアであり、手間がかかるため、安定した製造が難しく、メンテナンス性がよくないため大量生産には向かず、多くのFBG製造メーカーはこの製造方法を採用していません。

タツタ電線では従来の波長変更ができない位相マスク法と光学調整がシビアで安定生産性に乏しい2光束干渉法の課題をクリアした、広範囲の波長が選択でき、かつ安定した生産を可能とした独自の光学系を構築して製造しています。また、位相マスクが必要ない(※)ため、試作・カスタム対応の検討がしやすく、イニシャル費を抑えた、多品種適量生産を実現しています。初期の実験でのお試しの1本から、量産に至るまで一貫してタツタ電線の営業・技術担当者が最適なソリューションを提案・サポートいたします。是非ともご相談下さい。

※ご要求仕様によっては位相マスクが必要となる場合もございます。

広い波長範囲

530nm~2100nmの広い範囲にわたりFBGを製造できます。

温度無依存パッケージが可能

FBGの中心波長の温度に対する変動を抑制できます。

基本仕様

中心波長

全般 530nm~2100nm(各波長でシングルモードのファイバに適用)
代表例(※):
500nm帯 Nufern社 460-HP
600~700nm帯 Nufern社 630-HP
800~900nm帯 Nufern社 780-HP
1000~1100nm帯 Corning社 HI-1060
1200~2100nm帯 Corning社 SMF28e+

※あくまで一例です。各ファイバのカタログをご参照の上、ご使用用途に合わせてお客様にて選定下さい。

標準トレランス

中心波長 ±0.2nm
チャープ対応可能波長域 1000nm~1100nm、1500nm~1600nm

反射率

5~95% ±2%
95%~99% ±1%

半値幅

ユニフォーム 0.05nm~1nm(波長、反射率による)
チャープ 1nm~5nm(波長、反射率による)

用途事例

用途事例1:ファイバレーザ用FBG(共振ミラー用FBG)

ファイバーレーザのコンポーネントである共振ミラー用FBGは、高反射 (HR) および低反射出力カプラ (OC) として使用して、お客様のご要望に応じた「任意波長」、「反射率」での製造が可能です。HRとOCミラーの正確な波長マッチングが必要になりますので、波長の不一致を避けるため、HRとOCの波長差を±0.1nm以内に合わせたペアでご提供いたします。位相マスク法ではございませんので、試作・カスタム対応の検討がしやすくなっております。是非ともご相談下さい。当社はSMファイバ、PMファイバ、DCファイバで製造致します。

用途事例2:波長ロック(スタビライザー)

励起用LDの波長は動作中に安定な状態でなければなりません。FBGは光ファイバに加工する手法なため非常にシンプルで波長安定化には非常に優れたアプローチとなり、いわゆる外部共振器型の半導体レーザーに適用され多くの波長で使用されています。 低反射グレーティング(実績2 ~ 5%)は、ポンプ出力レーザーの安定化に最適です。「中心波長」、「反射率」、「半値幅」はご要望に応じたものでカスタマイズ対応ができます。

波長ロッカ

発信波長と出力を安定化させるため用いる外部共振器となります。中心波長に制限はありません。

用途事例3:多連FBG

一本の光ファイバに任意の異なる中心波長のFBGを作製します。例えば、FBGは光ファイバセンサとして使用されており、歪み・温度・圧力・加速度等、様々なセンサに応用されています。波長毎にこれらのセンサを割り振ることで、複合センサとして用いることができます。また、位置センサとしても使用できますので、多点配置することで各々の地点における状態をモニターすることもできます。

多連FBG

一本の光ファイバに任意の異なる反射波長のFBGを作製します。

用途事例4:短波長フィルタ

フィルタとしてノイズとなる波長を除去するために使用したり、光カプラと組み合わせることで任意波長の取出しにも使用できます。

短波長フィルタ

所持装置(光源・スペクトラムアナライザ)リスト

光源
550nmASE光源(520~560nm程度カバー)
850nmSLD光源(790~910nm程度カバー) 
980nmSLD光源(910~1010nm程度カバー)
1050nmASE光源(1000~1120nm程度カバー)
1310-1650nmSLD光源(1260~1750nm程度カバー) 
SC光源:技術用試作限定(480~2100nm程度カバー)
スペクトラムアナライザ
短波長帯用(400~1200nmカバー)
長波長帯用(1200~2200nmカバー)
通常帯域用(700~1700nmカバー)

標準品一覧(例):波長、反射率、半値幅などはカスタマイズ可能。

中心波長 品目 用途 仕様
790~  910nm トリガー OCT スペックシート526KB
980~1120nm トリガー OCT スペックシート526KB
1260~1750nm トリガー OCT スペックシート517KB
1000~1100nm 共振器 ファイバレーザー スペックシート535KB
1500~1650nm フィルタ 通信 スペックシート562KB
1500~1600nm センサ 通信 スペックシート526KB

構造・仕様

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